Jazz kissa 1
ジャズ喫茶なんてのが昔ありました。奥ゆかしい昔のことでした。だいたい、奥に向かいたがる時代だった。
ジャズ喫茶なんて路地の奥に鎮座していた。そのジャズ喫茶のさらに奥の席に鎮座していた僕だった。
ぼさぼさ髪を個室替わりにして僕は鎮座していた。ぼさぼさ髪のドアに厳重な鍵が掛かっていたのは当然かしら。
深夜だった。寝りゃあいいような深夜なのにくずのように起きてジャズ喫茶でジャズを聴く連中がいたのである。
煙草なんて気にならなかった。僕は煙草なんて吸わないが煙草なんて気にならなかった。個室としてぼさぼさ髪を伸ばしている僕だったから、くだらん煙草煙なんて気にならなかった。
僕のぼさぼさ髪は無人島クラスとなっていたのかしら。